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再転院

骨折の手術後1か月が過ぎると、再度リハビリのため小浜病院への転院となりました

結局、高橋先生は最後まで冷たい感じでした

前回、小浜病院へ行くのは嫌だったのですが、今回は高橋先生から離れられるのが嬉しくて、ホッとしました

ただ、同室の森のおばさんとは結構仲良くなったので、また離れてしまうのは寂しく、小猿も同室の患者さんと離れるのは寂しそうでした

前回、転院する時はチームのドクター全員で見送りしてくれたのが、今回は主治医の研修医だけでしたので、いかに症例に失敗すると興味が無いのかを知りました


今回も、小浜病院までは篤おじさんが車で送ってくれました

そして、小猿に今度は絶対に安静度を守り、転んだりしないようにと言ってくれました

小猿は「転ばんさぁ~~」と頭を掻いていました

篤おじさんは、小猿家の親族で、唯一まともに思えた親族でした

私は普通免許を持っていないので、ワゴン車を持っている篤おじさんは有難かったです

小浜病院に着くと看護師さん達は笑顔で迎えてくれました

知っている患者さんもいたので前回よりは溶け込むのも早かったです

私も今度から面会は週に1回泊まり掛けでいいので、少し楽になれると思っていました

相変わらず古くて薄暗い病院でしたが、ギスギスした気持ちから解放されたので、こんな田舎もいいな~と思えました


早速小猿は



あ~、テレフォンカードば買わんやったね?



あー、忘れとった



あーあ、今日は帰るとやろう? 今日電話出来んたい



今日はもう電話せんでよかたい



あー そうか、でも明日からんとのなかよ、どうすっと?



小猿は電話する気満々でした



篤おじさんが



どうあっか、電話は用事のある時にかければ



笑いながら言うと



そんげん訳いかんと、1日500円のカード1枚て決めとっとやっけん!!



当たり前のように大声で言うので、篤おじさんも部屋の患者さんも笑っていました


小浜病院の売店には、テレフォンカードは売ってなくて、近くにはコンビニさえありません

持っている小銭も少なくて、小猿は「どうすっとね~」と騒ぎます

みかねた篤おじさんが、車で買いに行ってくれました



篤おじさんに気の毒かやろうが、あんまり子供のごと言わんと



あってさー 1日1枚は要るもん!!



次に来る時まで我慢も必要よ



あってさー



お金も掛かるとやっけんね、少しは考えてよ



解ったさ、でも1日1枚は要るもん!!



金銭感覚に欠けていた小猿は、電話代を勿体ないとは感じていませんでした

この日から10か月、1日500円のテレフォンカードが、小猿の必需品となりました

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子供返り

絶飲食で3日間様子をみて、4日目に再度胃カメラをして、出血は止まっていました

4日目のお昼ご飯から5分粥食が始まりました



やったー!! 食べらるる!!



小猿は喜んでいましたが、実際にお粥のふたを開けると、匂いで吐き気がして食べれませんでした

私のお昼用に売店で買ったパンを食べたい、と言うので、牛乳パンをあげました



おー旨かばい!!



小猿にゆっくり少しづつ食べるように声をかけながら、私は小猿のお粥を食べました



パンは最高ね~~!!



嬉しそうに食べる小猿は、まるで子供のようでした



考えてみると、高橋先生から冷たくされた頃から子供のようになりました

前から、純粋な所は子供のようでしたが、行動、表情、話し方、全てが子供返りしたようになりました



小猿ならではの現実逃避が子供返りなのかな・・・



不思議な感じがしました

夕食はお粥も食べれるようになりました


20時の面会終了時間になると



明日は何時に来ると?



解らん、起きてから考える



決めとかんば遅うなるやろ~?



だって今から帰ってお風呂入って洗濯して干して寝るとよ、何時に寝るか解らんもん



あってさー(だってさー)



ずっと椅子に座っとくともきつかとよ、ちょっとは家でゆっくりさせてよ



あーも、ゆっくりしよったら遅うなったい



遅う来るとはそんだけきつかとて思ってよ



あってさー



あーも、そしたらもう来んよ!!



解ったさ、ゆっくりでよかさ



部屋の患者さん達が笑っても、平気で駄々をこねるようになりました

そして最後は患者さんになだめられて



じゃあまたね、明日ね と渋々手を振る


この時期以来、そんな毎日になりました


その当時、私はお昼の配膳に間に合うように来て、20時まで面会していたのですが、それが毎日となると疲れて来ました

仕事はまだ始めてなくて、小猿の傷病手当と貯金で暮らしていたので毎日面会しなくちゃ、とは思いますが、ジーっと椅子に座っているのは足がむくみ、腰も痛くなります


ただ、部屋に着くと素直に大喜びしてくれるし、またストレスで潰瘍が再発するのも嫌だったので、私も毎日通っていました

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吐血

高橋先生にお礼を渡して数日たった頃、面会に行くと小猿は点滴をしていました




どうしたと?




絶飲食になったと




どうして?



昨日の夜に血ば吐いたと



そして?



今日胃カメラばしたら、十二指腸潰瘍って



え~~~・・・ 痛かと?



なんとなーくね、どがーんかある



ふーん・・・



森さんの奥さんが



私達もストレスやろうねって話しよったとですよ



顔をしかめて言います



ストレスもあるかもですが、ステロイドも増えたけんですね



ステロイドで十二指腸潰瘍になっとですか?



副作用であるとですよ、手術の後、小浜に行ってからもちょっと増えたし、この前の手術の後もまた少し増えたもんね



あぁ、増えた



小浜ではあんまい減塩食もせんかったろ? 塩辛かとばもろうて食べよったろ?



おかずの旨うなかけん、くるるて言うけん、ごめんさー



自分も血吐いたり大変かろうけど、こいでまた入院費の高うなっとよ



そうたいねー、ごめんねー



森さん夫婦が笑い出しました



小猿さんも奥さんもほんと面白かねー



は?



小猿さんは血吐いて絶飲食とに、入院費の高うなるて、そして謝るし



みりちゃんは看護師やっけんなんでも解っとですよ、おいが言う事聞かんけん・・・



奥さんには頭の上がらんとですね?



おいは仕事も出来んごとなったとに、言う事聞けば骨折もせんやったとに、そしたら高橋先生にも嫌われんで済んだし、お礼もせんちゃ良かったし、やっぱ頭は上がらんですよ



奥さんもほんと大変かですね



いや、痛か思いばするとはこの人やし、この顔ばボコボコにしたとは私やし、私はストレス発散しよるけんまだましかもですね、入院しとけばストレスでしょうね



いやー、奥さん、病気になったとは本人ですから仕方なかよ、奥さんに迷惑かけたらダメばい、小猿さん



いつも無口な森のおじさんの言葉でした



わいちゃー・・ はい、すみませんでしたー



小猿が両手で頭を叩く仕草をするので、みんな笑いました



主治医の研修医が来て、胃カメラをした経緯と結果を説明してくれました

暫くは絶飲食との事でした

薬を飲む時だけは水を飲んでもいいと言うので、時々氷をあげてもいいかと問うと



氷をですか?



はい、絶飲食って喉が渇くし、潰瘍の薬も喉がカラカラになるんですよ



奥さんも潰瘍になった事あるんですか?



看護師なので、患者さんによく氷をあげていたので



そうなんですか、それじゃいいですよ、良い事聞きました



研修医の先生はニコニコしながらメモを取っていました

先生が部屋から出て行くと、森の奥さんが



高橋先生があの若先生のごと優しかったら、高橋病にはならんかったとにねー



しみじみと言うので、みんなで大笑いしました


その後、患者の仲間内では、小猿の十二指腸潰瘍を「高橋病」と言うようになりました


今、文章にすると、高橋先生を揶揄したふざけた内容に見えますが、大学病院に入院している患者さん達は、重い病気を持っている方が多く、なにかしら自分の病気に対しストレスを抱えているため、世界観が狭くなっているのかもしれません
なので、なにか面白い事を探し、笑う事でバランスを取っていたのだと思います
決して高橋先生をバカにした発言ではありません

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再お礼

再手術後も1週間は泊まりがけの付き添いをして良かったので、私は病院に泊まっていました

小猿は嬉しそうにしていましたが、診察では高橋先生は小猿に冷たい感じがしました

小猿は男のくせに人から冷たくされる事を怖がる性格でした



まあだ怒っっとるとかなぁ



小猿も気にしているようでした

まだ左足の手術もあるのに、先生の顔色にビクビクして入院するのは嫌でした


同室に森さんという年配の方がいて、その奥さんが付き添っていました

その奥さんと一緒に、お昼にレストランに行くようになり、良き話し相手になりました

私は奥さんに高橋先生の事を相談してみました



高橋先生が来ると小猿さんが緊張していたのは、そんな事言われたからね?
これで治療が終わりなら放っておくけど、来年も手術があるなら関係修復したいね



奥さんと色々相談し、やはり今回もお礼はしないとダメやろう、と言う結論になり、お礼の金額について小猿と森さんと奥さんと一緒に考えました

前回総額50万円かかり、私の貯金の残りは少ない事も告げました

高橋先生の金額は下げる訳にはいかないし、上げると来年もまた上げなくてはならないので、高橋先生のみに、前回同様20万円包むのが一番良い、と結論がでました

前回お礼を渡してまだ3ケ月しか経ってないので、逆に失礼にならないのかな、とも思いましたが、このままビクビク入院するよりはましかも、と思いお金を封筒に入れて持ち歩いていました


売店に行くために、人が少ない外来用エレベーターの方で待っていた時、高橋先生がそのエレベーターから降りて来ました

私はドキドキしながら、先生、これを、と言って、封筒を渡しました

もしかしたら怒られるかも・・・と思っていましたが、先生はあっさりと



あ、どうも



と言い封筒を受け取ると、胸ポケットに入れ、そのまま行ってしまいました

色々考え、ドキドキした事がバカらしく思えました



これで機嫌も直してくれるかな・・・



部屋に戻り、お礼を渡せた事を森さん夫婦と小猿に報告しました



良かったね~、取り敢えず安心たいね



森さん夫婦は自分達の事のように喜んでくれました


しかし、翌日からも、高橋先生は相変わらず冷たいままでした

お金と引き換えに優しさを貰おうと言う訳ではありませんが、小猿も冷たくされて反省したようだし、普通の対応をしてくれてもいいのに、とがっかりしました

1週間が過ぎ、私は夜になると帰らなくてはなりません

小猿は小浜にいる時よりも悲しそうでした

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再手術

僕はしないよ、と拒否していた高橋先生ですが、手術が決まり、術前説明がありました

主任さんや、師長さんがどんな話しをしたのかは解りませんが、突然の説明でした



説明するからお義母さんを呼んで


と言われ、電話しても自宅には居なくて、説明は私にだけありました



人工骨頭を入れるから、今度は簡単、時間もそう掛からないと思うから、輸血の予定は無い

ただ、全身麻酔をかけるので、腎臓への負担は仕方無いと思って下さい


淡々とした説明でした

前回みたいな情熱も愛情も感じられませんでした


人工骨と自骨の手術の重みの違いは相当あるんだな、と感じました


手術の日、朝からきたお義母さんは



うちは忙しかとですよ、こう何べんも呼ばれたって仕事にならんでしょう?



私に文句を言いますが、答えたのは小猿でした



なしてみりちゃんに文句ば言うとか、おいが転んだとやけんおいが悪かとやっか、おりとうなかなら帰れ、そんがん文句言われてまでおって欲しゅうもなかぞ



大学病院がおれて言うとやっけんおらんばやろだい



そしたら黙っておっとけ、みりちゃんに文句言うな



ストレッチャーに寝て、OP出しを待っている小猿は、私のために文句を言ってくれるのでしょうが、小猿がお義母さんに文句言えば言う程、後で私への攻撃は強くなるので、私はうんざりしながら聞いていました


OP出しが済み、手術待合室での待ち時間、やはり攻撃が始まりました



なしてうちが怒鳴られんばいけんとでしょうかね



さあ、小猿さんも手術はしたくないから、イライラしたとでしょうね



イライラしたらうちに文句言うとですか?



それは親子だから甘えているんじゃないですか?



よーそわしか、甘える年じゃなかでしょうもん



病気になれば、大人も子供もないんじゃないですか?



私は持っていた文庫本を読む振りをして、窓際の椅子に座りました

内容は全く頭に入らないのですが、ずっと読んでいる振りを続けました

お義母さんは、長椅子に足を伸ばして座っていました

8時にOP出しして、予定より少し早い13:30 手術が終わり、リカバリー室に運ばれました



えらいはやさ


今回は人工の骨を入れるから簡単だそうです


あら、そう、最初から人工にしてくれれば良かったろうで


ただでさえ、高橋先生は不愉快に思っているのだから、こんな言葉を先生に聞かれたら大変です



お義母さん、折れたのは、手術した所じゃなくて、その下の骨ですよ



そうけんさ、左足全部人工の骨にしてくれればもう骨折もせんやろうで



いいやー、健康な部分まで取ってしまうのは出来ませんよ



人工の骨の方が頑丈でしょうが



でも、異物は異物ですからね、最低限必要な部分しか入れないですよ



最初から頑丈にすれば、そい以上儲からんけんでしょうね



病院は患者さんの手術で儲かろうとは思いませんよ



最後になって、何でもお金儲けに結びつけた考えしか出来ないお義母さんにイライラしてしまいましたが、やっと先生の説明の時間になり



無事に終わりました、セラミックと言う人工骨頭に切り替えました、脱臼を起こしやすくなりますが、その説明についてはリハビリの進行経過を診ながら説明しますので

あと、お嫁さんには言いましたが、短期間の間で2回の全身麻酔を使いましたので、腎臓への負担がどの程度来るかは解りませんが、何分、突発的な手術でしたのでご容赦下さい



言うだけ言うと、先生はさっさと行ってしまいました


高橋先生が怒る気持ちも解っていますが、これからもこの高橋先生にずっと診てもらわなければならない事が、つくづく嫌になりました

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お義母さんについて

小浜病院から大学病院へ転院する際は、お義母さんへの連絡を小浜病院の看護師さんがしてくれたのですが、再手術の連絡は私がしなければなりませんでした

嫌だ、嫌だ、と思っていると、電話なんてしたくもなくて

いつもはお義母さんが面会に来るのも嫌なのに、この時は、面会に来て小猿から直接聞けばいいのに、と思っていました

しかし、お義母さんは全く面会には来ません

どうでもいい時は度々来て、肝心な時にはパッタリ来ない、気まぐれな人です


小猿の再手術の日程が決まり、とうとう電話しなければならなくなりました

開口一番



そうけんあーたが毎日面会に行けばよかったとでしょうが



と、言われました

そう言われるだろうな、とは思っていました

しかし、実際に言われ、しかもその後も延々と文句を言われると、もうげんなりします


途中で受話器を耳から離し、電話台に置いて、漏れてくる声を聴いていました


数分が過ぎ、まだ文句を言っていましたが



それじゃ、手術の日はお願いします



と言い、電話を切りました



また手術の時は一緒におらんばいかん・・・



そう思うだけで、憂鬱でした



私は看護師だったので、色々な患者さんと話をしてきました

中には、自分のストレスを看護師に八つ当たりしてくる患者さんもいます

先生に言えない不満や疑問を、看護師にぶつけてくる患者さんもいます

患者さんと先生の間に入って、なんとか意志の伝達をしなければいけない時もあります

看護師は殆どが女の世界で、揉め事を起こさないようにする事も学びました


なので、相手がどんな人であっても、気まずくならない程度に話しをする事には慣れていました

でも、このお義母さんとだけは、解り合う事は出来ませんでした


お義母さんは、かなりやり手のセールスレディで、給料も沢山貰っていました


要するに、お金持ちです


顔を合わせれば、私への文句か、お金の自慢ばかりしていました


最初は、こんな人がどうして多くの顧客を持つ事が出来るんだろう、と不思議でした

段々と、ここまで強引に出来る人だから、他人にも強引に勧め、お客さんにしてしまう事ができるんだ、と解ってきました


結婚前に、小猿は仕事は出来ないと宣告されたので、私がずっと仕事をしなければならず、子供は作らない事にしました

もしも、子供が出来たとしたら、産休や、育児休暇中の生活費が掛かります

その分を貯金しようにも、小猿の医療費もかさみ、1人暮らしの時のように貯金に励む事は出来ませんでした

当初は、大腿骨頭壊死の治療が済めば貯金も出来るだろう、と思っていたのですが、その後も次々と癌を発症して行く内に、子供の段ではなくなってきました

私の給料では、医療費の支払いが足りなくて、より給料のいい病院へ転職しながら、なんとか自立した生活を続けてきました

2度目の直腸癌の宣告を受けた時、もしかしたら小猿は長生きはしないのかも・・・と感じました

なので、貯金よりも今を楽しく、という感じで、旅行や、キャンプなど、遊びにお金を掛けるようになりました

私達がそう決めたのだから、それで良かったのです

それなのに、その頃から会うたびに



子供はまだですか? 私に孫も抱かせんとですか?



そう言われるのが、堪らなくストレスでした

そして、癌を繰り返す度に



まぁだでん続くとですか、あーたの業は



と言われる事も苦痛でした


小猿の最後の病気、肺癌の終末期

私は介護休暇をとったのですが、その間給料は出ませんでした

人が亡くなる前には、現金がドンドン飛んで行きます

紙オムツや、ティッシュペーパー、ヨーグルトや、アイスクリーム

食べ物を受け付けない状況で、一口でも食べて貰えるよう、病院の売店に走り

財布の中はみるみる空になっていきます


14年間、私の給料で頑張ってきましたが、もう小猿にアイスクリームさえ買ってあげれなくなり、面会に来たお義母さんに初めて援助を頼みました

すると、「嫌ばい、よそわしか」と簡単に断られたのです


私にじゃないんです、小猿さんに買ってあげるお金がないんです


負けずに食い下がりましたが



あーも、金の話しばっかりするなら帰る!!



と言い、本当に帰ってしまいました

その時は個室だったので、小猿の目の前でです


小猿は、私に泣いて謝りました



お義母さんが貧乏なのでしたら、こんなに悔しく思いません

何度も言いますが、お義母さんは金持ちです


小猿が亡くなり

お通夜、お葬式の時も、お義母さんは、お香典さえくれませんでした


これが、私が初めて憎んだ人、お義母さんと言う人です

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手術拒否

大学病院では検温や処置の度に、看護師さんが小猿を見てクスクス笑い、その笑いが患者さんの笑いを誘い、前の同室だった患者さんも頻回に来てくれて、小猿は嬉しそうでした


私が口煩く言わなくても、患者さんが言ってくれます



おとなしゅうして言う事聞かんば、奥さんは面会に来てくれんよ



看護師さんも安静度を徹底しているのか、訪室の度に注意します



ここで事故起こさんでくださいよ、私達が怒られますからね



小猿は口を尖らせながらも、患者さんや看護師さんに言われる度



はーぃ・・わかってまーす・・・



と答え、またその声が笑いを誘っていました


入院しているけど楽しい、そんな感じでした


なので、私達は大学病院に受け入れられた、 そう思っていました



廊下で、高橋先生と会いました


転んで骨折したお詫びと、また手術でお世話になる事をお願いしました



ちょっと待って、君は僕が手術をすると決めつけているみたいだけど、僕はしないよ



え、でも、高橋先生しか出来ないと聞いていますけど・・・



うーん・・小猿君の場合は僕じゃないと厳しいだろうね、でも僕はしないよ、冗談じゃないよ、せっかく手術しても遊びで台無しにしてしまうんだろう、バカらしい、僕はしないよ



そう冷たく言うと、カツカツ靴音を響かせて行ってしまいました



頭の血が下がり、背筋が冷たくなり、思わず手すりをつかまりました



どうしよう・・・



暫くその場に立ち尽くし、小猿のベッドに戻りました




どがんかしたと?



ジーっと黙っている私に小猿が聞きました




高橋先生がね、そこでおうたとけど、僕は手術しないよって怒っとる





うっそ!! 怒られたと?




ほんと・・・




どうすうか?




どうすうかねー・・・




せん訳いかんし、主任さんか師長さんに言うてむうか・・・




うーん・・・ごめんね・・・




病院で事故ば起こせば、こんげんなっとさ・・・




ごめんなさーい・・・




ナースステーションに行き看護師さんに言うと、主任さんが来てくれました



小猿のベッドサイドで話しました

先ほどの高橋先生の言葉を伝えると



うーん・・・ 高橋先生、よっぽど悔しかったとやねー・・・



やっぱり高橋先生しか出来ないんですか? 小川先生も手術してますよね?



高橋先生がした後はしにくいでしょうね、腎臓の問題もあるし
高橋グループしか出来ない・・よね・・・

そんなにハッキリ言いました?




はい、冗談じゃないよって怒っていました




はー・・ 奥さんに怒るか・・・小猿さんは期待の星やったもんねー 今度はもう自骨じゃなくて人工になるし、結局は高橋先生の症例は失敗した事になるしねー・・・



おいは別に期待の星にならんちゃよかです



バカね、手術の仕方が貴重かけん成功せんばやったとさ



私が小猿の頭を叩き、あいたーす と頭を押さえる小猿を見ながら



わかりました、師長と一緒に高橋先生と話してみます、実際もう骨折してるんだから手術せん訳いかんし、でも小猿さん、また転びましたじゃ済まされませんよ



小猿は下をぺロっと出し すみません 小声で答えました


ついさっきまで楽しかった場所が、途端にギスギスした重苦しい場所に変わってしまいました

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明日のジョー

骨折から3日目、小浜病院の師長から電話がありました

明日、大学病院のベッドが空くので転院する、病院車で搬送するので、大学病院まで迎えに来て欲しい、入院手続きは家族がいなければどうしようもないのでお願いしたい

という内容でした

これ以上意地は張れないので了解しました


翌日、大学病院の玄関付近で車を待ちました

小さい救急車みたいな病院車が着くと、まずは看護師さんが降りて来て



ご主人さんも充分反省しているので、もう許してあげて欲しい、と言います



私は無言でした




ご主人さんを見ればどれだけ反省したか解るから、もう許してあげてね




小猿が寝ているストレッチャーを出してきました

小猿は毛布を被っていますが、まだ牽引されていました




ね、小猿さん、充分反省したもんね




小猿は黙って顔を両手で覆っています




見えん!!




小猿は慌てて両手を降ろしました

顔中青く内出血し、大きく腫れ上がっていました




もぅごめんさぁ、反省してます




その時、また歯っ欠けが見え、怒りが込みあがってきそうになりましたが、小浜から来た看護師さんと運転手さんに、これ以上迷惑は掛けれないので、紹介状をもらい入院手続きに行ってきました


部屋が解ると、ストレッチャーで病棟まで運んでもらい、部屋に入れて荷物を受け取り、お礼を言いました

看護師さんは、最後まで 「もう許してあげてね」と繰り返しながら帰って行きました



荷物を整理していると、前に同じ部屋だった患者さんが2人やってきました




えらい早かったですね、小猿さん、転んだとて?




やかましっ!!




転んで骨折したて聞いたですよ




笑いながら覗き込んだ2人が絶句しました




ぼっこしやられたばい




だいに? あ、奥さんに?




小猿が黙っているので、青くなったグーを出し私が答えました




ひなたぼっこで転んだて言うけん行ったら、その歯ば見て切れたと




小猿がニッと歯を見せました




うわははははは!! 2人は手を叩いて大笑いしました




笑うなー!! 痛かっぞ!!




そいばってん小猿さん、なんで歯の無かとですか?




車椅子じゃ行かれん所に人の松葉杖ついて行って段差で転んで歯から落ちとっとさ




私が答えると




ひなたぼっこで骨折して、歯まで折れば奥さんもがっぱい来るさ




2人はヒーヒーと大笑いで、部屋の患者さんも笑い出しました




笑うなー、笑えば顔の痛かっぞ!!




足じゃのうして顔のですか? がははははは




眼の開かん位腫れたっぞ




明日のジョーのごたるですよ、わははははは




なんが明日のジョーや、たいがいにせろ!!




打つべし、 打つべし!! ウヒャヒャヒャヒャ!!!




その2人の笑いで、部屋の患者さんも笑いながら小猿の顔を見に集まりました


私も笑いながら、患者さん達に「よろしくお願いします」と言いました


ドアの入口では、アナムネーゼを取りに来た看護師さんも笑っていました

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足跡を残すのは迷惑ですか?

今回は今日の事

最近の私は、すっとテレビばかり観ています

内容が面白かろうが、つまらなかろうが、放送終了まで毎晩観て、それからネットするという毎日でした

でも、昨日は眼がショバショバしてパソコンの画面を観れなくて


疲れ目かなー・・・と思い


眠剤を少し多めに飲んで寝ました


そして今日、起きたら22:30


昨夜4:30までは時計を見ていたので起きていたとして18時間眠った事になります


起きた時は、電気もつけたままだったので、朝か夜かもわからず

暫く考えて、夜だと解った位熟睡していました

眠剤少し多めと言っても、普段1錠を2錠にしただけです


3日間眠っていなかったので、その分をまとめて眠った感じです



どうしてテレビばかり観てしまうのか

自分なりに考えると、やはり現実逃避しているんでしょう



ところで

あるブログで、足跡が付いていると迷惑



といった記事を見かけました

私に向けた記事ではなかったのですが、そうとらえている人もいるんだ、と思うと

どこまでサイト訪問していいのか解らなくなりました


コメントを残して下さる方はもちろん迷惑とはとらえていないでしょうから、私も訪問しますが

いつも足跡を残してくださる所へは、私も訪問していたのです


その記事を見て、足跡を残さずに訪問する方法を考えている内に面倒になり

テレビばかり観て、放送が終わればyoutubeまで観るようになりました


そこで

もし、足跡が付くのが嫌だと思う方は、私の所にも足跡をつけないで下さい

私は基本的に、自分のサイトに足跡が付いていたら自分も訪問し、記事も読みます

内容によって思う事があればコメントも残します

それでいいと思っていますが、もしも、コメントが無いのに足跡だけつくのが嫌だと思う方は、私も迷惑に思われたくはないので、私にも足跡を残さないで下さい

よろしくお願いします

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骨折

小浜から戻った翌日のお昼過ぎ、電話が鳴りました

悪い予感がしました




小浜病院ですが、小猿さんが転んで骨折しました、すぐ来て下さい




やっぱりな・・・という感じでした



すぐ来いと言われても、2時間以上はかかるよ・・・・

昨日の夜帰って来たばっかりとに・・・・

あーもう、面倒くさっ・・・・



その時の私には小猿を心配する感情は無く、ただただ面倒くさい気持ちでした

急いで準備をして、家を出て長崎駅前のバスターミナルへ行き、バスを待ちました


庄司さんに迷惑かけてなかったらいいけどな・・・

いや、私は庄司さんにも伝えたはず、小猿が行きたいと言っても断ってくれたらいいのに


そんな事をブツブツ思いながら、バスは小浜に着きました


病棟へ上り、ナースステーションに顔を見せると、師長さんが小走りで来ました



小猿さんが中庭で転んで、手術した方の脚を骨折しました



あれだけ言い聞かせたのに、結構な段差があるから車椅子では無理だと知ってるのに、ほんとにすみませんでした、庄司さんにご迷惑かけていませんか?



はい、庄司さんと一緒に中庭に行ったそうで、松葉杖で行って転んだそうです



松葉杖? 杖は持ってませんけど



同じ部屋の患者さんに借りたみたいです



はぁ? 借りた? どうもすみません



小猿は直達牽引をしたそうで、処置室のベッドに案内されました

処置室にはベッドに寝た小猿と、その足元に久世先生が立っていました

先生は私を見ると



取り敢えず牽引はしたが、手術の必要がある、当院での手術は無理なので、大学病院に戻ってもらう事になる



と言いました

小猿を見ると、困ったような、照れたような顔で



ごめんなさい



と言いますが、前歯が2本折れて歯っ欠けでした


その歯っ欠けを見た瞬間、色々な事が頭の中で駆け巡りました



ここの看護師さんが叱られる

あれだけ大学の先生が、リハビリ頑張って、と応援していたのに

また手術て、何のために高額のお礼ばしてきたて思うとっとやろ

毎週ここに面会して、民宿に泊まって、バスに酔ってきたとに

前歯の2本欠けとる、歯は高かとにまたお金の掛かる

また手術てなれば、またお義母さんに文句言われる

松葉杖貸した人誰ね、あー頭にくるっ!!


私はベッドに飛び乗ると、小猿のお腹の上をまたぎ、小猿の顔をボコボコ殴りました



なんば考えとっとね? あんだけ言うたろうが、病院内で事故ば起こすてどんだけ迷惑かかわかっととね!!



ボコボコに殴りながら、小猿に怒鳴り続けました

慌てた先生や看護師さんが何か言ってますが、私の耳には届きませんでした

知り合って初めて、小猿に怒鳴りつけていました



看護師さんが注射器を持って、小猿の腕に注射しました



奥さん、もう注射したけん大丈夫ですよ



看護師さんの言葉で、私の手は止まりました

小猿のお腹をまたいで小猿の上に座っていましたが、ベッドから降りようとしても牽引している鋼線はあるし、どう動いていいのか解りませんでした



すいません、降ろして下さい



2人の看護師さんに手伝ってもらい、やっと小猿の上から降りました

小猿は息を切らしながら



なんすっとか、こん!!



と怒鳴り、私を睨みます



なんてね、どっちが悪かとね、歯まで折って、もう面会にも来んとやっけんね!!



私も息を切らしながら、また怒鳴るとナースステーションに行きました



大学病院に戻るのはわかりますが、もう私は知りません、あの人1人タクシーに乗せてやって下さい、私は迎えには来ないと言って下さい、ほんとご迷惑かけてすみませんでした



奥さん落ち着いて下さい、可哀想に1人でタクシーに乗せるとは無理でしょう?



いいえ、リハビリ中に転んだのなら頭に来ませんが、あれだけ言ったのにひなたぼっこで転んで手術のやり直しって、歯まで折って、顔見ればまた怒鳴りますから私はもう来ません、支払いとかは後で来ますから、転院日が来たら1人でタクシーに乗せて下さい

あー、そして今回の怪我は小猿の責任ですので、病院の過失では無いですので、ただ、松葉杖を貸して下さった方には、もう貸さないで、と言って下さい



それだけ言うと、私は病院を走って出ました

その後、民宿に行き、週末の泊まりが無くなった事を説明しました

民宿のおばさんは、驚いたようですが、お茶を出してくれ



そしたらまたリハビリになったら来るじゃろ、来んばたい



と笑っていました


帰りのバスに乗る頃はもう薄暗くなっていました

バスの中で、自分の手が少し痛い事に気づきました



なんやろ、この痛み?



グーを握ると痛みが増します

家に着き、部屋の電気の下で手を見ると青くなっていました



わー、私の手がこんなに青くなっとるなら、小猿の顔はどうなったかな?


少し反省しましたが、その夜は、怒りで眠れませんでした

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ひなたぼっこ

国立療養所小浜病院に転院して2か月が過ぎた頃

土曜日にいつも通り面会に行くと、小猿はすぐに喋り出し



あのね、向こうの庄司さんね、この頃ひなたぼっこに行くとさね、そこはあったかくて気持ち良かとげなぁ、おいも行きたかなぁ



同室の患者さんともすっかり仲良くなり、楽しく過ごしているようでした



じゃあ行ってみるね



私は小猿の車椅子を押し、庄司さんがいつも行くという院内の中庭に行きました



いつもあのベンチに座るとげな



そのベンチに行くには、結構高めの段差があり、車椅子で行く事は出来ませんでした

確かに陽当たりが良く、1月の海岸通りにある病院に吹く冷たい風の中で、そのベンチのある空間はとても暖かくてゆったりできそうな雰囲気でした



でも、車椅子じゃ行かれんたい、ここまでしか行かれんばい



う-ん・・・あーぁ、行きたかなぁ



ダメなものはダメ、今はここまで、まぁだ車椅子やけん無理



解ったさぁ、諦むっさ



小猿は、人が楽しそうにしている事を羨ましいと思う気持ちが強いです

ダメと言われると、余計に羨ましがるのですが、車椅子までの許可しか降りていないのですから仕方ありませんでした

その庄司さんは胃潰瘍で入院している内科の患者さんで、行動制限は無く自由に動けます



これはちょっとヤバいかも・・・



私は嫌な気がして病室に戻ると、庄司さんに聞こえるように大きな声で言いました



庄司さんは内科の患者さんで、安静度はフリーやっけんあのベンチまで行けるけど、自分は足の手術ばしとるとやっけんね、安静度は車椅子やっけんね、単独では病棟内しか動けんとよ、看護師さんとか、家族同伴の時以外は勝手に庭には行けんとよ



うーん・・・



うーん、じゃなか、ダメて言うらダメとやっけんね



はい・・・解りました



庄司さんもこちらを見ていたので、私は軽く会釈をしました

庄司さんも会釈を返してくれました


夕食が済み、私は民宿へ泊まり、翌日の午前中からまた面会しました

お昼ご飯が済むと、庄司さんがひなたぼっこに行きました



あーぁ、もぅ良かなぁー おいも行けたらなぁ



人ばっかい羨ましがらんとって、段差のあるけん行かれんかったたいな



そうけどさぁー 解ったさー、羨ましがらんさー



うん



最終バスの時間が近づき、私が帰る準備をし出すと




あーぁ、今日も時間の来っとの早かねー、もう帰らんばばい




仕方なかたい、また来週ね



うーん、そうけどさー



よかね、絶対ひなたぼっこに行ったらダメよ、解ったね



解ったさ、もぅー



帰りにナースステーションに寄り

小猿が中庭のベンチに行きたがっている、車椅子では段差があり無理だと解ってはいるが、庄司さんが行くのをひどく羨ましがっている、もしかしたら庄司さんに迷惑を掛けてしまう事になるので良く観てて下さい、庄司さんに付いて行こうとしていたら注意して下さい、お願いします

看護師さんへお願いして帰りました

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生命保険と個人年金

小猿は、入院すると1日10,000円貰える生命保険に入っていました

転院が決まった時、入院給付金の手続きをするために、生命保険会社に電話しました


実は、小猿のお母さんは生命保険のセールスレディです

小猿の保険はお義母さんが作ったものでした

お義母さんと関わりたくなくて、直接保険会社の長崎支部に電話して、診断書の用紙を送ってもらい、大学病院の主治医に記載してもらい、保険会社に提出していました

その保険会社から電話があり



小猿様の保険は給付金は満額支払っておりますので、入院給付金は出ません、ご了承下さい



という内容でした



は、???



意味がよく解らなかったので再度問うと、小猿の保険は一生涯の入院給付金が720日まで、という制限付きの保険でした

これまでにその720日の給付金はもう給付済みであるため、給付金は出ないという事でした

720日制限がある事を知らなかった私は、そんな事もあるんだ、、、と自分の保険についてもよく調べ直してみたくらい驚きました

そして、入院給付金が出ない保険ならもう要らない、月々支払う保険料を貯金した方がましだと思い、解約したいと相談し、必要な書類を送って下さいと頼みました

小猿にもその事を言うと、えー!!・・と驚き、解約に賛成してくれました

今後は私の給料で生活して行くにあたり、月に15,000円の小猿の保険料は大きかったです


解約と言われ、保険会社は、担当者である小猿のお母さんに報告したのでしょう、早速お義母さんから電話がありました



うちに恥ばかかせなさんな、うちの目の黒か間は勝手はさせん



という内容でした



小猿さんともう一度話し合って決めます



と、いい電話を強引に切りました

小猿に伝えると、小猿は何度もため息をつき



多分、ここで強引に解約したら、お袋のことやっけん、みりちゃんになんば言うか解らんし、そうけんお袋が死んだら解約するとはダメかな?



と言いました



そうすうか、おとろしかもんね



私も同意し、月々無駄な保険料を払い続ける事にしました

お義母さんは納得するどころか、私にもお義母さんの保険に入るよう言ってきました



私はずっと住友に入っていますし、もう1つ入る余裕は無いです



そうけん、住友からうちの第一に換えればよかとでしたい



住友を止めろってことですか?



2つは入りきらんとなら、そがんせんばでしたい



でも、住友は私の友達から入ってるし、よくしてくれているから止める理由も無いんですよね



あーたも小猿家の人間になったとでしょうもん、嫁が入りとうなかて言う保険を他人に勧めても入ってくれんでしょうが



・・・解りました



私の保険まで、お義母さんの保険に切り替えられる事になりました

そしてその保険の手続きのため、お義母さんと会った時



うちは息子4人ともに、個人年金も掛けとっとですよ、うちのお金でね、小猿が腎臓の病気ばした時に、小猿の年金だけ2倍に増やしたとですよ、先で仕事出来んごとなるて思うて、でもみりさんと結婚した時に、他の兄弟と同じ額に戻しました、うちが払いよっとですけん文句無かでしょうが



と言われ、その場では、私に個人年金の分も払えと言われるのかなと思ったのが、そうでは無かったので安心しました


でも、後でよく考えると



小猿が腎不全を起こした時点で、先では仕事は出来なくなると解っていて

それなのに、勝手に結婚も決め、ご祝儀も出さず、年金額も平等に戻した・・?

えー・・自分が赤いちゃんちゃんこ着せて病気になるよう願掛けしたから腎臓も悪くなったかもしれないのに、大腿骨頭壊死で働けなくなったと知っているのに、年金額は戻した・・?


とことん私にお金が入るのは嫌だと思っているんだ・・・


段々腹が立って、そんな人の保険に切り替えた事も後悔しました


その個人年金も小猿が先に亡くなり、今はお義母さんが受け取っているのでしょう

私を受取人に変更する事はありませんでした

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誰のお金

ある日のお昼、電話が鳴りました



もしもし



みりさん?



(げ、お義母さんだ・・) はい



あーた、今日は小猿んとこ行っとらんとですか?



あぁ、はい、面会は週末に泊まりがけで行くようにしてます



なして週末だけですか?



バス代が掛かるし・・・



バス代くらいどうあんですか、毎日行くとが普通でしょうもん



あーいえ、私達にとってはバス代はバカになりませんから



小猿のお金でしょうが、小猿のために使わじゃね



バスにも酔うし、平日はリハビリで昼の面会は出来ないので



あーた、バスに酔うとですか?



はい



ほぉ、使えん嫁ですね



そうですね



そしたら小浜に引っ越しすればよかでしたい



えー、リハビリが終わればまた反対の脚の手術ばしに戻って来るんですよ



そん時はまた引っ越しして帰って来ればよかでしたい



いやぁー、そんな事してたらお金はいくらあっても足りません



そうけん、小猿のお金でしょうが、残そうて思うとがあさましか




このお義母さんからはチョコチョコ電話があり、その度無理難題を言うので困りました

小猿のお金と言うのは、小猿の傷病手当と言う意味です

小猿は貯金を1円も持っていませんでした

新居も、元々私が借りているマンションでした

手術がすぐにあったので、新婚旅行にも行っていません

結婚式、披露宴はご祝儀で支払い、手出しは殆どありませんでしたが、お義母さんと弟さんからのご祝儀は頂いていないので、小猿家からの出費は無かったと思います

婚約指輪に結婚指輪、結納金まで私の貯金を使ったし、当時私が就職しなかったのは、次の手術が決まっており、その時にまた付き添うためです

確かに小猿の傷病手当で生活していましたが、結婚したらどちらのお金か、などは考えてもいませんでした


なので、小猿のお金、小猿のお金 と何度も言われるとついイライラしてしまいます

民宿に泊まって丸2日の面会だけでも無駄遣いしている、と思っていたけど、遠距離の面会をするには最適な方法で、小猿もそれを支持しているのにです



うるさ~い!!



と怒鳴りたい気持ちですが、仮にも夫のお母さんです

面と向かって怒鳴る事はできません

電話を切った後、受話器を床に投げつけたり、やかましかっさ、と独り言を言ったりしていました

そして、夜の小猿からの電話の時にこの事を言い、小猿と一緒に悪口を言いました

不思議な事に、お義母さんの悪口を言う時の電話は2人とも良く喋るので盛り上がり、私より小猿の方がお義母さんの悪口を言うので、スッキリしていました



金も出さずおって口ばっかい出すなさな


なんが引っ越しせろてか、冗談ポイやっか


みりちゃんが泊まりで来てくるるとが良かもん、平日の夕方だけになっとは嫌やもん、おい達が決めてそいで良かとにいらん口ば出すなてさ



こんな風に文句を言う小猿に、私は全く不満はありませんでした


ただ、お義母さんだけは、どうしても好きになれませんでした

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まだプータロウ?

今回は今日の事


今日はハローワークの認定日でした


昨日から今日の外出の事を考えると憂鬱でした

しかし行かなかったら手当てが頂けないわけで

昨日は早めに眠剤をのんで、今日の午前中には食事とシャワーを済ませなくては・・・

そして、結構早くに目が醒めました

出かける準備をしたくなくて、ウダウダウダウダ




よし、シャワー浴びるぞ!!




気合いを入れてベッドから起き上がり、ふと携帯を開くと未読メールがありました


東京の友達からのメールでした


おっ♪ と嬉しく思いながらクリックすると





まだプータロウなの?


来月長崎に行くので、その時はみんなで集まろうよ♪




そう書いてありました





ガーーーン‥





彼女に悪気は無いのは充分解っています

高校時代からの親友です、悪意のメールをくれる訳がありません



でも、ショックでした



シャワーも浴びたくなくなり、またベッドに潜りました


だけど、手当てが入らないのは困ります

返事も出さなくちゃ・・・



とにかくシャワー浴びながらメールの返事を考えよう、と思いお風呂場へ行きました


お湯を浴びていると泣きたくなりました

ハローワークに行くのに目が腫れたらまずい‥と思い、涙が出ないように必死でこらえました



ハローワークの手続きを終えると、前回よく話しを聞いてくれたお姉さんが手を振り




どうしてました~!?




声を掛けてくれたので、また話しをしました



プータロウの言葉に悲しくなった事を伝えました



もし旦那さんが生きていたら、たとえ無職でもプータローとは言われないのに、1人暮らしだとそう言われてしまいますよね

という事は、男性は結婚していようが、独身だろうが、仕事をしていなかったらプータローですね

ここで仕事していると、男はつらいよ、って本当だなぁって、つくづく思います

みりのこさんは、どちらの立場も経験されてるから、ほんと、悲しい気持ち解りますよ




と言ってくださいました


そして



手当てが出る間は焦らずにゆっくり休んでいいんですよ。当然の権利なんだからプータローでもいいじゃないですか



とも言ってもらえました



ハローワークはさっさと再就職を急かされる所だというイメージがありますが、当然の権利だからゆっくりでいい、と言ってもらえると、気が楽になりました



そして、世の中の男性よりは、恵まれているのではないか、と思いました


男性の方で、私のように引きこもりになる人は、私よりもっと辛いはず


メール1つでクヨクヨしててどうするの私!


帰りに食糧を買い込んで、お寿司を買って帰宅し





うん、まだプータロー

ずっと引きこもっているから、会えなかったらごめんなさい




返事を出す事ができました

そして、お寿司を食べ、美味しいと感じ、テレビを見て笑えました



私の1ヶ月前に辞めた師長さんは、今月16日から再就職しました



自然と仕事したいと思える日が来るので、それまでゆっくりしていていいですよ

みりさんなら大丈夫です




と、師長からメールのメールを14日に頂いています




仕事したいと思える日が来る




その言葉を信じて、もう少しプータローでいます

少なくとも、誰にも迷惑はかけていないはず


堂々とプータローでいます

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テレフォンカード

週末の面会以外は離れていたため、小猿は夜に電話を掛けてきていました

当時はまだ携帯も無く、公衆電話から家の電話に掛けてきます

小遣いは、その電話代も含めて渡していましたが、一旦電話で喋りだすと限りなく喋るため、小遣いはあっと言う間になくなっていき

電話代が無くなれば、コレクトコールで掛けてきます


そのコレクトコールは電話代が高いので、最初はビックリしました

なので、500円のテレフォンカードを5枚買って、面会時に渡し、1日1枚を守るように言い聞かせました

公衆電話自体電話代が高く市外通話なので、テレフォンカードはすぐになくなります

ダメだと言うのに、2枚目を追加したりすると、テレフォンカードは足りなくなり、するとまたコレクトコールで掛けてきます


面会に行くだけでもお金が掛かり電話代もお金が掛かる、でも私達はブルジョワではありません

来年はまた左下肢の手術をするし、その時はまた付き添うので、私はまだ就職はせず、小猿の傷病手当で生活していました

使えるお金は限られています

なのに、何度言ってもコレクトコールで掛けてきます

ある時、電話の中の人が「コレクトコールお繋ぎしますか?」と聞くので



お金が掛かるからダメだと言って断って下さい



と言うと、少しの間が開き、「承知しました」と言い、切れました

すぐに電話が鳴り、「そこをなんとか、とコレクトコールです、お繋ぎしますか?」



えーもう、すみません、断って下さい、なに言われても断って下さい




「・・・承知しました」




次の面会で、この事を厳しく叱りました



解ったさ、ごめんさぁ



その後はテレフォンカードだけで済みました

1回500円の電話は、特に内容の無い話しばかりで、最後は



あーもう終わるばい、あーぁ、あと5ばい、4、3、あーぁ



で終わる電話を毎晩掛けてきていました


その使い終えたテレフォンカードの束は今も残っています

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民宿

長崎市から小浜までは、バスで約2時間です

当時片道2,000円程かかったと思います

そして、私は自動車免許は持ってなくて、バスには酔う

面会に通うには、最悪な条件です

しかし、小猿は面会を待っているし、洗濯や小遣いなど定期的に通う必要がありました

なので、時間とお金とバス酔いが最低ですむように考え、病院近くの安い民宿を探し、週に1回泊まりがけで面会に行く事にしました

平日は、小猿はプールでリハビリがあるので、夜しか面会出来ません

日曜日は、多分他の患者さんの面会を見て、羨ましく思うかもです

なので、土曜日の午前中に家を出て面会に行き、その日は民宿に泊まり、日曜日は午前中から面会し、最終バスで長崎へ帰る

このプランを小猿に言うと



うわー、絶対そいがよか!!



と答えるのでそう決めました

民宿は、夕食と朝食付きで6,000円のところがありました

小浜は温泉の湯量が豊富で、一般の住宅にも温泉がひかれていました

もちろんその民宿にも温泉のお風呂があります

毎週温泉旅行に行く感覚でした

バス酔いさえなければ、贅沢な暮らしをしている気分でした

民宿に泊まるという経験も無かったので、少し楽しみでした


小猿が転院して初めての土曜日、ウキウキ気分で面会に行きました

思いがけず、バスは混んでいました

小猿のリハビリが休みの日ということは、一般の人も仕事が休みで、温泉旅行に出かける人も多いんだ、ということに初めて気づきました

バスに酔わない方には解らないと思いますが、バス酔いする人は人にも酔います

初回からゲロゲロでした

途中でバスを降り、暫くバス停で新鮮な空気を吸い、次のバスに乗りました

やっとの事で病院に辿り着きました

小猿の部屋に着くと



遅かったね~もーぅ~



文句を言うので、ここまで来るために何回吐き、何回バスを乗り換えたかを言いました



ごめんね~・・おいのせいで・・



解ればよか



小猿の夕食が済み、下膳を済ませ、やっと民宿に行けました

夕食も、お風呂も楽しみでした

民宿に着くと、おばさんが部屋を案内し、もうご飯食べているからすぐおいで、と言われ

荷物を置いて下に降りると、そこはそのお宅の居間でした

お父さん、お母さん、お兄さん、お嬢さんの他に、おじいさんもいて、こたつに入りテレビを見ながらご飯を食べていました



こけ座わらんね



お母さんは、無理くりお父さんの食器をおじいさんの方へ詰め、そこに私の分の茶碗を置いて皿を並べています

ご飯時に、よそのお宅へお邪魔する感覚でした



あんた来っとの遅かけん先食べよったばい、あははー



おじいさんが笑います



あ、すいません



ほい、食べろ、食べろ



おかずや、お味噌汁もお母さんが持ってきますが、食器も箸もお客様用ではなく、ここの家族が普通に使ってそうな感じで、小皿なんておじいさんと同じ柄でした

料理は、この家族が食べている料理と同じでした

美味しかったです


食べ終わり、お茶を飲んでいると



もうお風呂入るか?



お父さんが突然言うと、お兄さんが



おいが先に入る、9時からテレビのあっけん



と言い、お母さんが



そしたらあんた9時に風呂入れ



と私に言います



はい  と言うしかありませんでした(私もそのテレビは見たかったです)


お風呂も、浴槽は少しだけ大き目ですが、普通の家のお風呂でした

石鹸も、シャンプーも、そこの家族が使っている物を借りる感じでした

お湯は塩湯の温泉なので、最後にシャワーの掛け湯を浴びました

温泉は気持ち良かったです


部屋にはお母さんが布団を敷いてくれていました



あーまた、ドライヤーせんば風邪ひくど



部屋へ来た私にお母さんが言うので、慌てて浴室に戻りドライヤーしました


その日は疲れもあってよく眠りました


翌朝、1階の居間からお母さんが私を呼んでいました



おーぃ、ご飯よー 降りて来ーぃ



時計を見ると、まだ6:30でした

驚きましたが、急いで着替え、居間に行き、みんなでご飯を食べました

食べ終わると、お父さんが



そしたらまた来週来いぞ



と言い、釣りに出かけました

みなそれぞれどこかに行き、居間におじいさんと2人になりました

おじいさんは足の爪を切っていました


これが民宿か・・・

これからここに毎週泊まるのか・・・

初めての民宿は、驚きの連発でした

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新世界

国立療養所小浜病院までは、小猿家の親族の中で唯一まともな篤叔父さんがワゴン車に乗せて送ってくれました

私は車の免許は持っていないので、交通手段はバスだけだし

おまけに私はバスに酔うので、今後の事を思うと憂鬱でした


病院はかなり古くてオンボロでした

案内された小猿の部屋は6人部屋で、内科も外科も整形外科も混合でした

大学病院は綺麗で大きくて明るい部屋でしたので、あまりの落差にガッカリでした

やはり最初に看護師さんがアナムネーゼを取りに来て、私を娘さんと呼ぶので小猿が訂正し、オリエンテーションが済み、部屋の患者さんへ挨拶をして荷物を片付けていると、主治医が来ました



わたくしが担当します、久世であります!!



先生は敬礼をしています

私も小猿もどうリアクションしていいのか解らず、固まりました



小猿です、宜しくお願いします



思い出したように慌てて挨拶をすると、その先生は敬礼したまま



わたくしは、当病院の副院長を務めております!!



・・・はぁ、わかりました



暫く敬礼のまま私達を見ていた先生は、ピシッと手を横に降ろし、向きを変え出て行きました



なんなの、これ・・・??



私がポカーンとしていると、小猿がポツリと



軍隊かぶればい



口に出してしまい、私も堪えきれなくなり笑ってしまいました

小猿も篤叔父さんもゲラゲラ笑い出し、3人で暫く笑っていました

その間、部屋の患者さんはシーンとしていて、不気味な感じさえしました


篤叔父さんの家は、小浜と長崎市の中間くらいの場所で、どうせ私はまだここにいるのだろうから、と1人で帰って行きました


私達は、もう既にホームシックになっていました

お昼は過ぎていたため、私が何か食べ物を買ってくると言うと、小猿も行くと言うので、看護師さんに車椅子を借り、買い物がてら院内を散歩しました



おいこんがんとこ嫌~・・



私も嫌~・・・



大学病院が良かったね~・・



ほんとね~・・・



みりちゃん、夕方には帰っとやろぅ?



うん、最終バスで帰る



あ~~ぁ、いやなぁ~・・・



私が帰るまでに、だいかと喋りゆっごとならんばばい



ほんとよね、おいひとりになるもんね



うん、じゃあ戻ろうか



私達は、居心地最低の部屋に戻り、隣の患者さんをこっそり観たり、話の種を探しました



近くのかたですか?



私は思い切って声を掛けると、新聞を読んでいたその患者さんが



はい、小浜です、お宅は長崎ですか?



どうにか話が出来そうなので、小猿をつついて話しに入れ会話を続けました


ぎこちなかった会話も、なんとかすすみ、夕食が来て小猿の分を運ぶと



奥さん、良かったら食わんですか?



向かいの患者さんが羊羹をくれました

ありがとうございます、と受け取り、羊羹は好きではなかったですが、すぐに食べました

食事が済む頃には、なんとなく穏やかな空気が流れ出しました



バスの時間ば見てくうかな?



私がバス停まで行こうとすると、部屋の人が時刻表を見せてくれました

どうにか仲間に入れてもらえたようです

帰る時には 遠かとにお疲れさん  と言ってもらえました

古くさい温泉街のオンボロ病院、この地で小猿のリハビリ生活が始まりました

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転院とお礼

手術後2か月目

リハビリのために転院することになりました

股関節の術後は、歩行練習も必要ですが、体重は掛けられません

長崎県雲仙市に小浜町という温泉の町があるのですが、そこの温泉は塩湯です

当時、その町に国立療養所小浜病院がありました

その病院には、温泉プールがあり、股関節の術後のリハビリには、そのプールでの歩行が最適でした

小猿も小浜病院に転院が決まりました


塩湯は浮力があり、体重を掛けずかつ水の抵抗で筋力もつくので、ためらいはありませんでした

しかし、長崎市からバスで2時間の距離でしたので、そう簡単に面会に行けないのです

なので小猿は嫌だったようです

大学病院には仲良くなった患者さんもいるし、余計に寂しかったようです

転院の話しが出てからは、いつもため息をついていました

同じ市内なら、同室の患者さんも、外出許可が下りれば面会に行くよ、と言ってくれるのでしょうが、病人で2時間バスに乗ることは無理であり、最初から誰も面会に行くよ、と言う人はいませんでした


8か月のリハビリを終えれば、今度は左下肢の手術のために大学病院に戻って来ます

その時にまた会いましょう、という感じで、部屋の患者さん達は小猿を励ましてくれていました

治療にあたったドクター達も、是非ともこの症例を成功して欲しいため、代わる代わる小猿の所に来ては、リハビリ頑張ってよ、と声を掛けてくれていました


転院の準備のため、荷物をまとめていると、隣の部屋の患者さんの奥さんから



高橋先生に手術のお礼はしましたか?



と聞かれました

私が看護師として勤務していた病院では、職員へのお礼は禁止だったので驚きました



いいえ、奥さんはしたんですか?



しましたよ、私も他の奥さんに聞いて慌ててしたんですよ、小猿さんはまた片方の手術もせんばとでしょう? そしたらお礼をしとかないと、次の手術の便宜を図ってくれないそうですよ、患者さんは多いですから



えーーー・・・ 大体いくら位したとですか?



私はその人と同じように30万円しましたよ



・・・・30万円!?



高橋先生は次期教授候補ですからね、それ位が相場だそうですよ



えーーー・・・  はぁ・・考えてみます、ありがとうございました



院内のあちこちや、病棟のホールにも



職員へのお礼は謹んでお断りいたします



と書かれた紙が貼ってあります

30万円だなんて、桁が違います

でも、教授廻診の時には大名行列みたいにドクターの山が通り過ぎて行きます



やっぱり民間の病院と、難病を引き受ける大学病院は違うんです



小猿に、その話しをすると



えーー!! そんがんもぉ? でもおいは高橋先生より小川先生にお礼したか



そんがん言うなら手島先生は?



あぁ、そうか、一番来てくるっとは手島先生やもんね



偉か先生にだけして、主治医の中村先生にせんとは気の毒よね?



あぁ、そうたいね、中村先生が一番診てくれたもんね・・



結局、高橋先生を筆頭に、お世話になった先生全員にお礼をしないと、次の手術の時に気まずい、という結論になり、それぞれの先生に対する金額を決めました


偉い先生全てに高額のお礼は出来ず、でも、小猿を診てくれた先生は下肢の病気グループ全員でした

高橋先生に20万円、そして次に偉い先生に10万円・・・という感じに決めて行き、研修医である主治医には5千円と決めました


エレベーターの中で、高橋先生と一緒になり、病棟まで上った時は2人になったので、封筒に入れた20万円を渡しました



あっ どうも



高橋先生は簡単に受け取りました

他の先生にも、こっそり渡すチャンスを見つけ、無事に渡す事が出来ました

主治医の研修医には、小猿のベッドに来て下さった時に渡しました



えー・・僕にまでいいんですか?



嬉しそうに受け取ってくれました

後日、同じ看護師である、姉にこの事を言うと



5千円て、中学生にやるお年玉じゃあるまいし、たったそんだけならやらん方がましやろ



と言われました

確かに、後から思えばドクターへのお礼がたったの5千円だなんて、と思いますが、当時の私達は、ドクターの名簿を作り、この先生がいくらだからこの先生はこの金額で・・と偉い順に差をつけなくてはならず、たったの5千円と言う事に気づきませんでした


ドクターにだけお礼をする訳にもいかず、ナースステーションへもお礼をしようとしましたが、それは師長が頑なに拒み、受け取ってくれませんでした


お世話になった同室の患者さんへは、洗剤とティッシュと代々決まっていたので助かりました


転院前日、隣の患者さんが言いました



僕達いつも数えよったとですよ、知ってました?



いいやー、あぁ、帰りにいつも「今日は5回」とか言いよったあれ?



はい、あいは奥さんが小猿さんばくらした(叩いた)回数です、明日から寂しゅうなっです



他の患者さんも笑いながら、寂しゅうなっですね、と言ってくれました



えー・・叩きよったとバレとったと? ほんと寂しゅうなるね



小猿さんのキャラは強烈やけん面白かったですけん



おいのどこが強烈やー?



全部ですよー



いい仲間に恵まれた入院でした


翌日、10:00に小猿と私は大学病院を発ち小浜病院へ向かいました

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泊まり終わり

アルマゲドン見ててパソコン全然開きませんでした、泣けましたねー(>_<)


術後7日目

病院の規定通り、この日から泊まれません

小猿は夕食の時からずっと



あーあ・・・  もう、  あーあ・・・



とため息ばかりでした

部屋の患者さんが笑っても全然構わない様子で



7日間て決めんでもよかとにさ



と愚痴を言っていました



小猿さん、新婚旅行は終わりですね!



隣の患者さんが言うと



おおさ、別に7日て決めんでもよかて思わん?



平気で愚痴ります



でも私も少しは家でゆっくりしたかし、空気の入れ替えもせんばし



私が言うと



あってさー・・・ (だってさー・・・)



部屋の患者さんはクスクスクスクス笑っていますが、みんな自分より年上の小猿が、まるで子供みたいになっているのがおかしくてたまらなかったと思います



20:00になり、音楽が流れると



あーあ、もう鳴ったー



明日また来るさ



何時にー



解らん



あーあ、もうー・・・




部屋の中は大爆笑です




そしたらね



うーん・・・



すいません、お邪魔しました、よろしくお願いします



まかせとかんですか、奥さん、気を付けて



はい、お休みなさい




お休みなさい、ほら、小猿さん、お休みなさいって




うーん・・・




6人部屋の中で一番年上の小猿が、若い患者さんからあやされるかのように、手を振るよう催促されています

小猿は仕方無く手を振りました


寂しくなる気持ちも解りますが、私は今までこんなに気持ちを素直に表現した事が無かったので、おかしくもありましたが、驚きでもありました

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小猿のうぬぼれ

術後5日目

私の母親と姉が面会に来ました

小猿は喜び、照れたように笑っていました

母親は何か気の利いた事を言ってあげようと思い



小猿さんはあの人に似ていますよね、誰て言うかな、上手か歌手の、声の良かとの・・・



えっ歌手ですか? えー誰ですかねー?



小猿は、歌手と言われただけで、もう褒められたと思い満面の笑みです



えーっと、ほら、銀行員さんで、上手かとの、声の良うしてさ・・・



銀行員さんと言われ、私は  あー、小椋佳?  と言いました



そうそう、小椋佳、雰囲気の似とるよね



あー そうね、髪型とか、ほっぺたとか   と姉が言い



小猿は、歌手と言われた時点で若いアイドル歌手に似ていると思ったようで




しつれいか・・・ とつぶやき、残念な顔をしています




しつれいかて、どっちがね   姉が速攻で言いました




は ?  姉に突っ込まれた意味が解らない小猿はキョトンとしていて




お母さんも姉ちゃんも、お世辞で言うたとやっけん、しつれいかはダメやろ




私が言うと、部屋の患者さんもゲラゲラと笑いました



そーよ   と姉



あ、そりゃどうも  と小猿



おじさん歌手に似とるて言われて、がっかりしとるとさ   と私




あぁ、でもあの人は本当に声は良かでしたい、ねえ     と母




声だけ・・    と小猿




小椋佳が言われてがっかりするとは解るけど、なんでしつれいかてこっちが言うかな   と姉 



でも私はあの人の歌は好いとるよ    と母



歌だけ・・    と小猿




歌だけでもどうあんね、好いとるて言いよるたい   と姉




もう良かさ、お母さんがフォロウすればするほどがっかりしよる   と私



そいが信じられん   と姉



部屋の患者さんは笑い過ぎて  もう腹の痛か  と言いながら布団を叩いています




ありがとうございます・・・もーう、笑うなー!! 



この小猿の切ない叫びで、増々笑いの渦になりました



母親と姉が帰ると



おいさぁ、そんげんおじさんのごたっとかなぁ?



うん、でも、小椋佳は人気のあるし、お母さんの好きな歌手やっけん、褒めたつもりやったとさ



お母さんの好きな歌手?



うん



やった!!



手鏡を見ながら、小猿は喜んだようでした

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小猿の誕生日

今回は今日の事

今日は小猿の誕生日でした

そして、クリニックの受診日でした

去年の9月に仕事を辞めて、ハローワークの手続きの時

抗うつ剤をのんでいるのなら、主治医に「意見書」と「診断書」を書いてもらえば、3ケ月を待たずにすぐ給付ができますよ

と言われ、それまで3年通っていたクリニックの先生に言うと、再就職の妨げになる、との理由で書いてもらえなくて、ハローワークにそう伝えると、もう手続きを始めたから、診断書類を提出しないといつまでも不備扱いになる、と言われ

3回頼みに行ったけど、書類は書いてもらえず、仕方なく違うクリニックに行き、事情を言って書いてもらったクリニックが今の主治医です

10月から通い出したこのクリニックの先生は、口調は穏やかだけど、淡々として厳しいです

いつも診察では  どうですか、最近は?  と聞かれ

何もしたくなくて、家でジーっとしています  と答えると

そればっかり言っててもどうしようもないですね、図書館に通うとか、散歩をしてみるとかしてみて下さい  と言われる、の繰り返しで


図書館に通えるんだったら、シャワーを浴びれない位で悩まないし

散歩が出来る位なら、ピザばかり頼まずコンビニまで行って食糧買うし

なにより貯金を崩しながら引きこもりせず、再就職して働きます

それが出来ずにもう7か月通ったんだから、出来ない人もいる、と解って欲しい


今日は絶対行かないと、明日は土曜日で午前中までだし、明後日は休診で、何日も受診日から遅れるとまた叱られるし、ずっと さあ、シャワー浴びるぞ と思うのに動けない

時計を見ながら、ギリギリの時間にやっとシャワーを浴びました

暖かくなったから、濡れた髪でも外出出来て、間に合いました


どうですか、散歩は出来ていますか?


やっぱり同じ質問で、私は嘘をつきました


はい、すぐ近くまでですが、夕方から散歩しています


おー、それは良かった、やっと前向きになってきたみたいですね


叱られずに済み、いつもより優しい言葉を頂きました

薬さえもらえればそれでいいし、毎回叱られて落ち込みたくないし


そして、帰りに銀行に行き、食糧を買い、今は脚がガクガクしてます

明日は筋肉痛だ・・・


小猿に和菓子を買い、仏壇にお供えし、買ってきたお寿司を食べました


久しぶりに米を食べました

やっぱり米は美味しいです。

明日こそご飯を炊けるといいな・・・

散歩も出来ると、もう先生に嘘をつかなくて済みますが、どうかな・・・


小猿がいたら、小猿は何と言うだろう?

小猿はいつも私の理解者で、私の言葉を否定した事はありませんでした


だから、どんな事でも出来てきました

誕生日にお供えを買う事が出来ただけで、今日は最高の日です

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痛くないリハビリ

術後3日目からリハビリが始まりました

大腿骨頭壊死の手術と言うと、大腿骨頭を人工の骨に換える、人工骨頭置換術、が主流ですが、小猿の骨頭の外側部分はまだ綺麗だという事で、自骨骨切り回転術という手術をしました

人工骨頭置換術が簡単だそうですが、人工の物は出来るだけ使わない方がいいそうです

自骨骨切り回転術は、当時まだ症例が少なく、長崎では高橋先生しか出来ない手術でした

なので、グループの先生方は慎重で、とにかく小猿に成功してもらいたいと思っていました

まずは、ベッドに寝たまま膝の下に機械を敷き、その機械が少しずつ持ち上がり、膝を曲げるリハビリから始まりました



痛かったら言って下さいよ



3人のドクターが慎重に進めていきますが、小猿は全く痛がりません



痛くないですか?



痛くないです



まだ痛くないですか?



痛くないです



えー・・・と先生方

小猿が得意気な顔をしていたので



誉められよっとじゃなかとよ、痛かったら言わんば無理はできんとよ   私が言うと



本当に痛うなかもん!!   と言います

先生方は、無理は禁物、と言い、その高さまでを5回繰り返して初日は終わりました


翌日も、先生方が来て、同じ高さまで機械が上がり



痛くないですか?



痛うなかです



えー・・・  の繰り返しです

先生は私に 本当に痛くないのか?と、聞きます



本当に痛うないと? 無理は出来んとよ



もうっ、おいはこどもじゃなかもん!!



そうけん意地ば出したらダメて、本当の事ば言わんば



痛うなかもん、嘘じゃなかもん!!   口を尖らせ顔は真っ赤になって怒っています



痛くないみたいですよ   と私



えー・・・   と先生方



結局、最大まで膝を曲げても痛くなりませんでした



翌日、今度は膝の下にロープを通し、上の滑車にロープをかけ、自分でロープを引き膝を曲げる事をしました



無理せず慎重にゆっくりして下さいね



先生方が見守る中、小猿はスイスイロープをロープを引き、膝もクイクイ曲がります




痛くないんですか ???



3人の先生は驚いていいますが



全然痛うなかです  小猿は得意気でした



関節 外れたかな・・・   私がボソっと言った言葉に、先生は慌ててポータブルのレントゲンを依頼しました



レントゲン写真が出来上がると、外れていませんでした



でも、痛うなかもん!!


小猿の叫びで、同室の患者さんも、私も大笑いし、先生も笑い出しました

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泊まり込み

手術当日、小猿はICUにいたので、私は元々小猿のいるベッドの横に、貸し出しの寝具を床に敷いて寝ることになりました

付き添いとして、病院に泊まるのは初めてで、少しワクワクしていたのですが、まさか床に直に布団を敷くとは知りませんでした

でも、思ったより痛くなくて、やはり病院の寝具は上等なんだと思いました

それに、椅子に座って面会するより、足を伸ばして横になれるのは身体的にも楽でした

ICUには入れないので、私は21:00の消灯と同時に横になって眠りました


翌日から、小猿は自分の部屋に戻ることが出来ました

痛み止めの座薬を1日2回まで使って良かったので、さほど苦しく無かったようですが、股関節の骨を切って、半回転させ、また繋ぐ手術をしているので、ベッドから動く事は出来ません

排泄もベッド上で、寝たまましなければならず、私の役目は尿器や便器を小猿にあげて、済んだらもらってトイレに持って行って洗う事でした

最初は恥ずかしがっていた小猿ですが、1~2回で慣れてしまい、全く遠慮せず頼むようになりました



たまには遠慮せんね、もーう



わかったさ、たまには遠慮すっさ



部屋の患者さんが笑うので、私もその会話は、傍からみればおかしいよね、と気付き笑いましたが、小猿はどうして笑われているのか解らないようでした

そして夕食が済むと、私は自分の寝具を取りに倉庫へいき、ベッドの横に敷き寝仕度をします

椅子に座るより楽なので、布団を敷くのが嬉しかったのですが、小猿は、20:00過ぎても私が帰らず傍にいるのが嬉しかったようで、夕方布団を取りに行く時はいつも



やった!! 布団!! 布団!!



と喜んでいました


お風呂は、患者さんの入浴時間が済むと、私達もシャワーを浴びていい事になっており、洗濯はコインランドリーと乾燥室があるので、本当に泊まりの付き添いの方が楽でした



なんか新婚旅行のごたるねー!!



夕食を食べている時に、小猿が突然言うので、私はムセて咳込んでしまいました

部屋の患者さんも笑い、ムセてしまう人もいました



もう、笑わせんでよ~



ごめんさぁ、 みなさん、すいませんでしたぁ、こいでよかぁ?



それでまた、みんなも私も笑いました


泊まり込みの付き添いが出来るのは、手術後の1週間まで、と決まっていたため、小猿は本当に嬉しかったのだと思います

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小猿の帰還

小猿に赤いちゃんちゃんこ着せて、お地蔵さまに願掛けに3回通った

私にとっては衝撃の告発でした

小猿が可哀想で、悲しくて、悔しくて

そこは手術の待合室で、小猿は全身麻酔で手術中です

神がかりな事も怖いし、お地蔵様に近ずくのも怖かった私は、平然とそんな事を今言うお義母さんが、今さらながら怖くて憎くなりました

もう口も利きたくないし文庫本を読もうとしても、活字が頭に入らず、むしろ活字が私をイライラさせてきてきます



早く私の前からいなくなれ!!



心の中は、その言葉で一杯でした



お腹空いたね、みりさん、ご飯食べる所はなかとですか?



地下にレストランがあります



行きましょうで



私はここにいます



私1人で食べろてですか? 一緒に行ってくれてよかでしょうもん



こんな状況で大嫌いな人と2人でご飯なんて、なに、この無神経さは・・



言葉には出せず、一緒にレストランに行きました



先に食券ば買わんばとです



よそわしか、注文聞きにこんとですか、こんがん所で食べた事なかばい



ここはそういうシステムですから仕方ないです



ブツブツ文句を言いながら、機械の仕組みが解らないらしく



あーもう、ちゃんぽんでよか、みりさん買うてくれんね



ちゃんぽんと皿うどんの食券を買い、店内に入り2人掛けのテーブルにつきました


向い合せなので、顔を上げるのも嫌でした



あんまし美味しゅうなかですね、やっぱり外の店にすれば良かった



そうですか、これは美味しいですけど



味わう心境ではなかったのですが、これがせめてもの私の出来る反抗でした



予定の時間を1時間過ぎて、やっと小猿の手術が終わりました

私達は、ガウンとマスクをつけ、リカバリー室へ入り、小猿を見ました

まだ麻酔がかかっているので、小猿とは話しは出来ません

暫く顔を見た後、術後説明を受けるため、病棟のカンファランス室へ行きました


高橋先生が、疲れた表情で無事に手術ができた事を説明しますが



あー、先生、ご飯も食べずに長い事すいませんでした



お義母さんの言葉が先生の言葉を遮ります



いえいえ、そして今回の手術はですね


ずっと立ちっ放しやったとですか、ほんとうにお疲れさまでした


再度言葉を遮られ、先生はイライラした感じで私を見ます

私は無言で頷くだけしか出来ませんでした


空気を読めないお義母さんの言葉は続きましたが、高橋先生は構わず話を続けました


2人の声が同時に話しを続ける変な説明でした

先生は言うだけ言って、それでは、と、部屋を出て行きました



おうどかね、あん先生は・・



お義母さんが言いましたが、私は返事しませんでした


リカバリー室から小猿が病棟に帰って来ました

ホールには同室の患者さんも集まり、小猿を迎えてくれました

麻酔から半覚醒の小猿は、うわ言みたいに何か言っていました


小猿、なんか、どうしたとか? 痛かとか? お義母さんが言います


酸素マスクをつけている小猿の言葉は聞き取れません

私はマスクをずらしてみました



痛かー もう痛かー



手術で骨ば切ったとやもん、痛かさ、麻酔の醒めてきた証拠  私が言いました



痛かて 痛かー



生きとる証拠、手術したとやけん痛かとが当たり前、大人やろ、我慢せんば



いくら大人でも痛かとは痛かもーん、もーう 痛かー! 



この小猿の言葉で、ホールにいた同室の患者さん達がゲラゲラ笑い


これだけ話が出来れば心配無さそうですね  看護師さんも笑っていました

私も笑いました


やっと小猿が帰ってきた  ホッとして、和めました

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手術と願掛け

大腿骨頭壊死の右股関節の手術日と時間が決まりました

オペ出し(手術室へ入る)は8:00なので、7:30には病棟に来てください と言われ


早過ぎ・・・


と、思いましたが、終わるのは18:30の予定 と言われ、立ちっぱなしで手術をするドクター方に比べると、文句は言えないな・・と思いました


ただ、私達のマンションからは遠くて、道路も大きい所をスクーターで走るのに、まだ慣れていない時だったので、その時間帯は道路も混むので怖いのもありました

おまけに、小猿のお義母さんにも来てもらうように、と言われ 嫌だー と思いました

オペ出しの説明は小猿も一緒に聞いていたので、小猿も驚き



お袋は来んでよかですけん!!



高橋先生が必ずと言ってますので



私がため息をつくと、 ごめんね~・・ と小猿が言います

解りました と言うしかありませんでした



7:30から18:30まで2人でどうしとけとばよかとやろー・・・



ごめんね、おいも一緒におれたらねー



自分は麻酔で気持ちよう眠っとるさー



そうやもんねー



看護師さんが  面白いですね、と笑うと、小猿は それほどでもなかとけどね~♪ と得意気でした


電話は小猿に掛けてもらうようにして、文庫本でも持ってこよう と思いました



手術当日、私は泊りがけで付き添うので、大荷物を抱えどうにか間に合いました

お義母さんは、小猿が安定剤の筋肉注射を済ませ、ストレッチャーに乗った頃、やっと来ました

ホッとした看護師さん達が、急いでオペ室へ行こうとするのを



ちょっと待たんですか、今来たばっかりでしょうが



と平然と言うので、私が嫌な顔をすると、小猿が寝たまま



時間過ぎとろうもん!!



叫んでくれたのはいいのですが、注射のためか酔っ払いのような言い方になり、見送りに来てくれた同室の患者さん達や、看護師さんも大笑いでした



手術待合室は6組の家族がいて、2人きりじゃなくて良かった~・・と思いました

しかし、余りに長い時間です、私にとっては拷問のようでした

お義母さんも退屈になったのか、話しかけてきました



なんでさっきは小猿が大声出したとやろか、とか、今日から泊まるとですか、とか


さあー とか、はい、とか、無難に答えていると、また、あーたのせいで小猿も可哀想に・・とか言い出して来たので、聞こえない振りをして文庫本を開きました


私への不満を言っていたお義母さんが、エキサイトしてきたのか、鼻で笑った後に言いました



私が願掛け地蔵さんにお参りしたけん、ご利益のあったとですよ



・・・・え・・???



かー坊(弟)の生まれて、小猿に赤いちゃんちゃんこ着せて、願掛け地蔵さんにお参りに行ったとですよ



なんてお願いしたとですか?



そうけん、兄弟4人分の病気は小猿にさせて下さいてさ



意味が解りませんでした



え、病気せんごとじゃなくてですか?



そんがん地蔵さんじゃなかよ、他の兄弟が掛かる病気も全部小猿にお願いしますてさ



え、なんでですか?



4人も子供のおって、バラバラバラバラ病気されても大変でしょうが



どうして小猿さんなんですか?



かー坊も可愛ゆう生まれて、小猿が外れやったですけん



そんなお地蔵様はないでしょう?



あるけん行くとでしょうが、3日通うたとですよ



涙が出そうになるのを一生懸命堪えました

私が泣くと本当になってしまう・・・絶対泣くもんか・・と必死でした

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竜巻に思うこと

今日、竜巻があったのですね

今日はお昼頃一旦は目覚めましたが、どうしても眠くて、13:30から始まる たかじんのそこまで言って委員会 を観るために、やっとのことで携帯のワンセグをつけました

昨夜、観る番組が全部終わり、仕方なくNHKにしていたためか、ニュースが映っていて、茨城の竜巻の被害状況が目に飛び込んできました



えーー・・ 日本よね、これ・・ 竜巻?



すぐにニュースは終わり、チャンネルを たかじん に変えて番組を観ましたが、眠さに負けて内容は全然覚えていません

携帯を切って、また眠りました


破壊された住宅街の映像を観たからか、去年の震災の夢をみました

動悸で苦しくなって目が醒めると、21:00を過ぎていました


ATALU がある日だ!!


急いでワンセグをつけ、チャンネルを合わせるうちに、時間も過ぎていき、内容も解らなくて


今日、何も食べてない・・と気付き、ラーメンを作るのも億劫でピザを頼んだりしたので、ATALU も内容を覚えていません

22:00に Mr.サンデーで改めて竜巻の映像を観ました


多分ですが、去年の大震災で、私の 命日反応 が大きくなったように思います


小猿が亡くなって1年目の命日までは、悲しくても普通に生活ができていて、仕事も普通に行けてて、まさか1年目に突然無気力になり、動悸やめまいが起こるなんて知りませんでした


一旦 命日反応 を起こすと、フラッシュバックが起こります

大きな事故や災害で人が亡くなるニュースを見ると動悸がして苦しくなります

なので、去年の大震災はショックでした

約20,000人の方々が一瞬で小猿のようにいなくなるのです

そして、その家族の方々が、私のように心を痛めるのです

そして、原子力発電所の放射能で、たくさんの方々が辛い思いをするのです


何かしないと、と思うけど、何も出来ないもどかしさは、小猿が亡くなる前日に苦しがる小猿を見て、必死でドクターを探し走り回った時の恐怖感と似ていました

でも、職場ではみんな普通に談笑しているのです

それが不思議でしたが、私も普通にしていないと変に思われると思い、平常を装っていました


私が本音を言えるのはネットの中だけでした

ネットの中の人達は、同じ気持ちの人がたくさんいました


今の私は相変わらずの引きこもりですが、ブログを始めたおかげで、ずっと寝ている訳にもいかず、お昼からネットを覗き、訪問者さんのところへ行ったり、コメントしたりと結構忙しくなっています

生産性のある忙しさではないので、ずっとこのままネット生活もできませんが、1日中寝転んでいた時と比べるとはるかに健康的になったのではないかなと思います

そして、いろいろなブログを周り、いろいろな記事を読む事で、学ぶ事も多々あります



私がネットを始めた頃はホームページが主流で、私もホームページを作り、そこからメールマガジンの存在を知り、発行者として小猿の介護生活を送り、読者さんに励まされて来ました


小猿の介護疲れの愚痴や、いずれ死んでいく小猿と向き合う恐怖は、リアルの人へは言えません


小猿がいた頃は、仕事と面会の毎日で、友達と遊ぶとか、みんなで飲みに行くとか、そう言う機会もなかったし、友達と会ったとしても、子育ての話しは聞けても、死ぬ人の話しはなかなか出来ませんでした


それがネットでは、皆それぞれが自由なジャンルの話しを不特定多数にする事が出来るのです


読みたくなかったら読まなければいいし、同じ境遇や共感して下さる方々から返事や、アドバイスや、逆に楽しい話しを読めたり‥


1人で抱えこんでいたら、小猿を最期まで看れなかったかもしれません


ネットに対し、偏見を持つ人も多いですが、私はネットの中の人達に助けられてきたと、感謝しています


最近の日本は大きな災害や、多数の犠牲者が出る交通事故が多く、その映像を見る度に動悸で心臓が痛くなってしまいます


自分が強くならなければいけないんだ、と解っていますが、やはり、誰も亡くなって欲しくないです


仕事上、患者さんが亡くなる瞬間を何人も看てきた私が、こんな弱くなるなんて思ってもいませんでした


自然災害はどうしようもありませんが、人為的な事故は少しでも無くなって欲しいです

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塚越くん、24歳

6人部屋の、小猿の向かい側のベッドには、塚越くんという24歳の方がいました

いつもは、カーテンを開けて、みんなと楽しそうにお喋りする元気な男子でした

膝が悪いとかで、松葉杖を使っていました


ある日、面会に行くと、塚越くんのベッドはぐるりとカーテンを閉めていました



外泊中・・?  こっそり小猿に聞くと



違う、こいさ  小声で、嘔吐するジェスチャーをしました



なんしたと?  再度小声で聞くと



治療したと   小声で言い、何かジェスチャーをしますが、解りません



うん、うん   と頷いて話は止めました



そして、いつものように世間話をしたり、同室の患者さんと話したりしていました

暫くして、塚越くんのカーテンがシャーッと開き



奥さん、こんにちは、すいません、挨拶が遅れました!



あぁ、こんにちは、具合の悪かと?



いいえ、もう大丈夫です!



笑顔で元気に答えると、私たちの話しに加わり、楽しくお喋りをしていました



みんなで、いろいろな話しをしていましたが、突然塚越くんが



奥さん、すいません、失礼します、またです、すいません



と言い、カーテンを閉め切ると、嘔吐しはじめました



おぇっー、おぇっー  と部屋に響きます



ナースコールせんでよかと?  小猿にこっそり聞くと



よかと   小猿は口パクで答え、隣の患者さんに同意を求めるような仕草をします



暫く嘔吐していました

部屋の患者さん達は、普通に会話を続けようとしているようでした


嗚咽が止まり、うがいをする音がして、暫くすると、またカーテンが開き、洗面器を持った塚越くんが片方だけ杖を持ち歩いて部屋を出ようとしました



大丈夫や?  小猿が声を掛けたので、私はすぐに洗面器を持とうとしました



大丈夫です、ちょっと洗って来ますけん  笑顔で塚越くんが言うので手を戻しました



片手に洗面器、片手に杖で、洗面所まで行ったようです



今日から抗がん剤ば始めたとさ   小猿が小声で言いました



抗がん剤?



膝の悪性腫瘍げな・・・



私も、残り5人の患者さんたちもシーンと静かになりました



どうも~、すいません



塚越くんが、元気に戻って来ると、みんなはまた大きな声で喋り始めました



当時の長崎市は、難病や、重症の患者さんは殆ど大学病院に入院していました

なので、悪性腫瘍の患者さんがいても不思議ではないのですが、塚越くんは昨日まで何の病気か解らない程元気で、新入りの小猿や、私にも積極的に話しかけてくれていたので



そうか、ここは大学病院たいね・・・  私は改めて思いました



私の表情で気付いたのか、塚越くんが言いました



今日から3クール目ですけん、気にせんで下さい、もう慣れましたけん、飯の後に吐くとはもったいなかとですけどね、そん時は小猿さんから少し飯ば分けてもらいますけん!!



なんでおいや~!!



そしてみんなで笑いました



若くていい子なのにな・・・と可哀想に思ってしまい、慌てて、いやいや、良くなる良くなる、と心の中で思っていました


小猿の左隣には、バイク事故で下肢を粉砕骨折し、当時長崎大学病院が日本で初めて取り組む イリザロフ法という手術を受けた人、右隣には、小猿と同じ大腿骨頭壊死、向かいの両サイドは骨の奇形の術後の患者さんでした


術後の患者さん達は下肢全体を丸く囲む器具が直接骨を貫通して固定されていました


この中にいると小猿の病気が一番軽症に思えました


塚越くんは4クールまで抗がん剤治療をして、私達は術後リハビリのため転院したのですが、その時は小猿の荷物を運んでくれました


また片方の手術をする時は大学病院に戻るので、その時はお見舞いに来ます、と言ってくれていました


小猿のリハビリは失敗し、2か月で戻る事になるのですが、その間に塚越くんは亡くなったそうです


一番若く、一番元気だった塚越くんの死を知った時、小猿も私もショックでした


その後14年間に、仲良くなった入院仲間を何人も失って来ました


その度に、小猿は自分の病気よりも、仲間を失う事が辛いと言っていました

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インフォームドコンセント

手術に対してのムンテラの日

そこには本人である小猿も参加するので、お義母さんがいても気楽でした

ただ、ドクターの方は、腎臓の原田先生に対し 訴える と外来で騒いだ人への説明をするのですから、かなり入念に準備を整えていました


今でこそ、医療ミスなどで告訴する人が増えてきましたが、19年前の、田舎の長崎ですから、ドクターに向かって 訴えてやる!! と叫ぶ人は稀少でした


長崎大学病院のドクターはグループを組んで治療にあたります

整形外科でも、上肢のグループ、下肢のグループ、体幹のグループに分かれ

その中でも、骨折のグループ、骨そのものの病気のグループ、と細かく分かれます

当時は医者不足の問題も無く、研修医もたくさんいたので、看護師よりドクターの方が多かったです

なので、ムンテラにはグループ長の高橋先生をはじめ、たくさんのドクターがいました


説明は、大腿骨頭壊死 とはどんな病気か 原因は 治療法は 手術が必要な訳は 手術中に起こり得るリスク

 手術後の経過は 気をつけなければならない事は 予後はどうなるのか

と、細かく丁寧に、しかも、各パートで説明するドクターが変わるのです

1人のドクターが責任を持たなくていいように、分散したのだと思います


そして、元々腎臓が悪い人は罹患する確率も上がるし、腎不全状態に陥った場合、プレドニンを使うのは当たり前の事であり、当時のデーターをみると、透析しても間に合わなかったレベルで、よくここまで安定したものだと説明してくれました

原田先生を擁護してくれていたのです



お義母さんは途中で何度も



私にそんげん難しか事ば言うても解りませんから、こん人に言えばよかですから



と言いましたが、その度に高橋先生が



お嫁さんよりお母さんにきちんと説明したい、後で署名捺印して頂きますので



威厳に満ちた態度で言うので、お義母さんも渋々最後まで聞きました


その光景はまるで、暴れ馬を手なづけるカウボーイのようでした


インフォームドコンセント(説明と同意)は、今では当たり前の事ですが、日本の医療法改正で明記されたのは15年前ですので、当時としてはここまで徹底した説明と、解りました、とお義母さんに署名捺印させた高橋先生はさすがでした


ムンテラが終わると、お義母さんは



あーー疲れた、こんげん人ば疲れさすって、あきれた病院ばい



と言い、すぐに帰りました


私も小猿も顔を見合わせて喜びました

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血液の貯金

整形外科病棟に入院し、諸々の検査が終わると、小猿は自分用の輸血をして、血液を溜める事から始めました

元々の小猿の病気は IgA腎症ネフローゼ症候群 といいます

簡単にいうと、自分の免疫グロブリンが抗体を作り腎機能を低下させ、腎不全に陥る病気です

股関節の手術は時間が掛かるため、術中の出血量が多くなる事が予測されます

しかし、免疫グロブリンが悪さをするため、普通の輸血は出来ないのです

体内に取り入れても悪さをしない血液は、自分の血液だけです

なので、小猿の食事は減塩食でしたが、ご馳走ばかりでした

早く血液を溜め、早く手術をしないと、小猿の下肢はどんどん砕けていくのです



わー みりちゃん、見てよ、ご馳走ばい!!




理由は解っているのに、小猿は毎日のご馳走に大喜びでした



これから手術だというのに、なんとも思わないんだろうか?



私は不思議でした

とてもじゃないけど、マンションの屋上から飛び降りようとした人と同一人物だとは思えませんでした

おまけに、手術は右足に1年、左足に1年、合計2年間の入院と言われてもケロリとしています

長時間かかるからと、血液まで溜めなくてはならない自分の病気の重大さを、全く感じていないようでした



こいみりちゃん好いとるやろ? 食べん?



ばぁか、輸血せんばけんやろう? ちゃんと食べんば



あ、そうやった ごめんなさい すいません 頂きます!!



と言うと、美味しそうにパクパク食べていました

そのくせ、私が自分用に買ってきたお弁当を そいよかね~・・ と欲しがります



輸血の終わって、ご馳走じゃなくなるまで自分のとば食べんばダメ!!



と叱ると、舌をペロッと出し



ごめんなさ~い



とすぐに謝ります

6人部屋で、若い患者さんばかりでしたので、私が小猿を叱る度、患者さんが笑います

20時が面会終了の時間で、音楽が流れます



あ~ぁ もう早かね~・・ もう帰らんばた~い・・・



本気で愚痴るので、部屋中の患者さんが笑います

私も笑うしかありませんでした


面会を終え、帰る時



お邪魔しました~ 皆さんお大事に~



と入口に立ち挨拶をしますが、いつからか



奥さん、今日は5回やったですね~ また明日~



部屋の患者さんが言うようになりました



なにがぁ?



と返しても、笑って手を振るだけです



なんだろう?? と思いながらも、楽しい面会が続きました


1か月ほどで血液も溜り、手術日が決まりました



手術について説明をしたいから、小猿家の人も誰か呼んで下さい



先生からそう言われた時  また問題が起きる  とっさに



小猿家の人は長崎にはお義母さんしかいないんですが、注意しないと後でとんでもない事になりますよ



大学病院では、主治医は研修医がつきますので、私はその研修医に言いました



え ? と固まる先生に、腎臓外来であった事を伝えました



うっそ~ 原田先生に~ ?  小猿は叫んだ後



でも母ちゃんならやりかねん・・ 顔をしかめています



それじゃあ、高橋先生と相談しますから



主治医の研修医は、チーム長の高橋先生 最初に診て下さった先生に相談したようです


そして、ムンテラ と言う説明会の日程を決め、小猿のお義母さんも呼ぶ事になりました


帰宅して、重い気持ちでお義母さんに電話をしました

ムンテラの日時を伝えると



あたしも来いってですか? あーただけじゃダメとですか?



はい、大変な手術になりますので、先生が言ってますので



あーたのせいで、うちの小猿も可哀想に



はい ?



あーたのせいですよ、あーたの業(ごう)のせいでしたい!!



ごう ってなんですか・・?



あーたが生まれつき持っとる罪業(ざいぎょう)でしたい!!



ざいぎょう  ってなんですか・・?



とぼけなさんな、おーっちゃっか、知らんふりしたってあたしにはわかっと



切れました



ごう ???

取り敢えず、辞書で調べてみました


そして悔しくて悲しくて、一晩中泣きました

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小猿家の人々

腎臓内科の外来で、原田先生に対し、訴えてやるっ とつかみかかっているお義母さんは、背丈は小さいので、原田先生も、簡単に振り払えたはずですが

やはり、相手は患者さんの母親であり、他の患者さんも見ているし、無碍にはできず私を呼んだのでしょうが、いくら嫁でも、このお義母さんを黙らせる事は私にはできず




小猿さんは腎不全状態で、腎臓が全く機能していなかったのを、何とかして治すにはプレドニンしかなかったんですよ、移植はいやだとお義母さんが言ったんでしょう?
プレドニンだけのせいじゃないです、大酒のみも原因ですよ




私はお義母さんへ、と言うよりも、そばで見ていた人達に対して叫んでいました




お義母さん、今後原田先生が小猿さんの腎臓の管理をしてくれなかったら、すぐに腎不全になってしまいます、脚の手術で全身麻酔をかけるのに、腎臓をちゃんと管理してもらわないと困るんです
先生が愛想つかしたら困ります、先生を困らせないで下さい



あーたは小猿が可哀想とは思わんとですか、こん先生のかたば持つとですか



8年前、移植のために兄弟の腎臓が適合するかもしれないから、3人の兄弟の検査をしたい

と提案した原田先生に、お義母さんは速攻で反対した、と聞いていた私は、この先生に対する失礼で自分勝手な振る舞いに切れました



訴えるなら訴えてみんですか、簡単にお義母さんが負けますよ、裁判の間、原田先生に小猿さんの腎臓ば診てもらえんかったら小猿さんも死にますよ、腎臓は大事かとですよ

先生、お義母さんが訴えるなら名誉棄損で逆に訴えんですか



自分でも驚くほどの大声で叫びました


お義母さんは先生から離れ、私の前に立つと私を叩こうとしました

私は目を閉じましたが、痛みは来ませんでした




他の患者様がいますので、喧嘩は病院の外でお願いします




看護師さんが、お義母さんの手をつかんで言いました




どうもすみませんでした、お義母さん、とにかく出ましょう




うちは1人で帰ります、あーたと帰るもんですか




お義母さんは、腎臓内科から出て行きました

私は原田先生に謝罪しようと先生の方をみましたが、先生は軽く手を挙げ




身内に医療従事者がいてくれると助かるなぁ、帰ったらまた大変だね、大丈夫?




同居していませんから大丈夫です




笑う先生の横で、さっきお義母さんの手をつかんでくれた看護師さんが




同居なんてとんでもないですよ




ボソっと言うと、そこにいた患者さん達からも笑いが起こりました


私は頭を下げ、小猿の病棟へ戻ると、ナースステーションに行き、小猿の部屋にお義母さんが来ていないか見て来て欲しい、と頼みました



忙しそうにしていた看護師さんでしたが、私が両手を合わせると、いいですよ、と行ってきてくれました

お義母さんはいませんでした

安心して小猿のところへ戻りました



なんやったと? と言う小猿に、手術の事やった、日にちとか、と答えました




手術には原田先生もついてくるっとかなぁ?



つくもんね、忙しかとに、1日幾つも手術のあっとよ、そんがんつきよったら自分の患者さんの診察ばする暇のあるもんね



あ~そうかぁ、そうたいね



隣のベッドの患者さんがゲラゲラ笑い、つられて部屋中の患者さんが笑いました


一応、手術の事を知らせておく、と言い、長男さんの自宅の電話番号を聞きました


面会を終えて帰宅し、長男宅へ電話しました

お義姉さんが出て、まだ仕事から帰っていない、と言うので、今日あった事を伝え、帰ったら電話を下さいと伝言を頼みました



ひどーい、お義母さん、みりさん大変だったね、主人は遅くなるけどいい?



何時でも大丈夫です



ほんとに遅い時間になって、長男さんから電話がありました

お義姉さんから話は聞いたらしく




だから、何?




だから、困るんです、そういう事をされると、私の説明は聞いてくれないでしょうから、お義兄さんから言って頂けませんか? 大学病院で治療受けられなくなったら困るんです




そこまでお袋を怒らせたのはみりのこさんですよね




え、でも先生を訴える、って外来まで行って先生を困らせたんですよ




だから聞き流せばよかったんですよ




じゃあ小猿さんの治療を拒否されたらどうするんですか?




治療拒否の方が罪は大きいですから訴えたらいいですよ




そんな事できません、お義兄さんは移植は反対だったんですよね、プレドニンを使って腎臓が安定した事はどう思っていますか?




それは医者に任せていますから




それじゃあ今さらプレドニンを使った事を訴えるなんて言われても、先生は困りますよね、外来の診察中で、他の患者さんもたくさんいたんですよ




だから僕に母を説得せろと言いたいんですか、わかりました、でもおそらく母の怒りは収まりませんよ
しばらく時間を空けて、機会があれば話してみます




その他人事みたいな言葉に、私は愕然としました




できたら早めにお願いします




と言い、電話を切って、じゃあ誰に相談すればいいんだろう、このままお義母さんが問題を起こさなかったらいいけど、そんな簡単に行くもんか・・・

私の方がおかしいのかな・・・と思いました

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プロフィール

みりのこ

Author:みりのこ
みりのこのブログへようこそ☆
私は5年前に小猿(夫)を亡くし、まだ命日の時期には無気力状態になる弱虫です。
でも、そろそろ強くなりたいのです。
14年間の闘病生活を振り返り、小猿からのメッセージを見つけ、今後の人生を楽しく生きて行こうと思います。
よろしくお願いします。
コメントがありましたらmirinoko@gmail.jpまでどうぞ☆

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